【合格体験】東北大学工学部 AOⅡ期について解説します①
みなさんこんにちは、白黒と申します!
私は現在、東北大学工学部の電気情報物理工学科に所属しています。
そんな私はAOⅡ期で合格することができたのですが、実際に対策を行っているとき、情報の少なさに戸惑うことがありました。
そこで、AOⅡ期に関する実体験を含む情報を、できるだけお伝えできればと思い、今回この記事を書くことにしました。
ぜひ、AOⅡ期の受験を考えている受験生のみなさんの参考になればうれしいです。
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目次
試験の形式
東北大学工学部のAOⅡ期の入学試験は、
- 出願書類
- 筆記試験
- 面接試験
という3つのの点数によって合否が決まります。
配点としては、
出願書類 | 筆記試験 | 面接試験 | 合計 | |
---|---|---|---|---|
150 | 300 | 150 | 600 |
となっています。
第一次選考では出願書類と筆記試験の結果によって審査されます。
例年は、一次選考を突破する人は半数強のようです。
一次選考を突破した人には、二次選考として使われる面接試験が待っています。
第二次選考では、一次選考の出願書類と筆記試験の点数に加えて、面接試験の点数も加味して審査が行われます。
この二次選考を突破した人が、最終的な合格者となります。
工学部の筆記試験は、英語・数学・物理・化学の4科目で各60分です。
例年英語の問題の中に、日本語での300字の小論文があります。
工学部AOⅡ期の選考状況
過去3年分の工学部AOⅡ期の選考状況を表にまとめました。
令和4年度
学科 | 募集人数 | 志願者数 | 一次選考 合格者数 |
二次選考 合格者数 |
倍率 |
---|---|---|---|---|---|
機械知能工学科 | 25 | 97 | 50 | 25 | 3.9倍 |
電気情報物理工学科 | 36 | 115 | 72 | 36 | 3.2倍 |
化学・バイオ工学科 | 17 | 40 | 29 | 17 | 2.4倍 |
材料科学総合学科 | 17 | 43 | 34 | 17 | 2.5倍 |
建築・社会環境工学科 | 17 | 57 | 34 | 17 | 3.4倍 |
令和3年度
学科 | 募集人数 | 志願者数 | 一次選考 合格者数 |
二次選考 合格者数 |
倍率 |
---|---|---|---|---|---|
機械知能工学科 | 25 | 107 | 59 | 25 | 4.3倍 |
電気情報物理工学科 | 36 | 142 | 82 | 40 | 3.9倍 |
化学・バイオ工学科 | 17 | 37 | 25 | 15 | 2.2倍 |
材料科学総合学科 | 17 | 58 | 35 | 18 | 3.4倍 |
建築・社会環境工学科 | 17 | 67 | 38 | 17 | 3.9倍 |
令和2年度
学科 | 募集人数 | 志願者数 | 一次選考 合格者数 |
二次選考 合格者数 |
倍率 |
---|---|---|---|---|---|
機械知能工学科 | 25 | 102 | 50 | 25 | 4.1倍 |
電気情報物理工学科 | 36 | 130 | 72 | 36 | 3.6倍 |
化学・バイオ工学科 | 17 | 46 | 30 | 17 | 2.7倍 |
材料科学総合学科 | 17 | 53 | 34 | 17 | 3.1倍 |
建築・社会環境工学科 | 17 | 71 | 34 | 17 | 4.2倍 |
(参考:東北大学 入試センター | 入学試験実施状況・出題意図)
AOⅡ期を受験するメリット
AOⅡ期を受験するメリットはたくさんあります。
合格できるチャンスが増える
これは言うまでもないかもしれませんが、挑戦できる回数が増えるので単純に合格できる可能性が増えます。
東北大学の工学部は、共通テストを利用したAOⅢ期も実施されるので、同じ年に最大で3回受験することができます。
大学受験の雰囲気が味わえる
現役生の方の多くは、まだ大学受験を一度も経験していないと思います。
私は中高一貫校に通っていたため高校受験を受けておらず、中学受験以降は一度も受験というものを経験してきませんでした。
そのため、"どれくらい緊張するのか"、"会場ではどのような行動をとればよいのか"など、正直不安がありました。
実際、受験会場の雰囲気というのは、いつもの教室で受ける学校や塾の模試とは全く違います。
他の人よりも早い段階で、前日の緊張や会場の雰囲気を知ることができるのは、大きなメリットです。
志望したい気持ちが固まりやすい
志望理由書や面接の対策などを通して、"自分はなぜ東北大学に行きたいのか"という気持ちと向き合うことで、自らの将来のビジョンが明確に見えてきます。
抽象的なことを言っているように感じるかもしれませんが、自分の将来像を文章化することは、みなさんが思っているよりも効果があります。
私も正直面倒だと感じることもありましたが、この工程を経ることで自分の気持ちを驚くほど整理することができました。
このようにして、"東北大学に行きたい!"という気持ちを強く固めることができるのは、実は大きなメリットだと思います。
入学前教育を受けることができる
工学部のAOⅡ期合格者は入学前教育というものを受けることになります。
内容は、1年生の前期で行う「数学物理学演習Ⅰ」という科目の先取りと、入学直後に入学者全員が受験するTOFLE ITPの対策テキストです。
数学物理学演習についは、正直まあまあ大変ですが、これを受けておくことで1年生の前期の授業はかなり楽になりました。
実際、大学の学習内容は結構難しいです。。。
数学物理学演習の内容は、一度学んだだけでは定着させることは困難なので、複数回学ぶ機会が提供されたのは非常にありがたかったです。
TOFLE ITPの対策については、そこまで大変ではありませんでした。
TOFLE ITPの試験では、共通テストや二次試験とは違った能力も必要になってくるため、それらを補うのには有効でしょう。
合格できれば進学準備期間が長く取れる
これは一番のメリットかもしれないです。
大学進学を機に一人暮らしを始めようと思っている方も多いと思います。
私立大学や専門学校などの合否は、年明け前の早い時期に決まることも多いです。
そのため、条件の良い物件というのは前期試験が終わったころには既に取られてしまっています。
年内に合格が分かるAOⅡ期なら、合格通知後でも十分良い物件は残っているので、物件選びでは非常に有利です。
また、入学の際に必要な書類を作るのは結構時間がかかります。
そうした書類作りの期間を確保できるのも、AOⅡ期で合格することのメリットでしょう。
AOⅡ期を受験するデメリット
AOⅡ期を受験するメリットがたくさんある一方、多少のデメリットもあります。
一般入試の対策期間が減る
AO入試は、出願書類の作成や面接の練習をしなければいけないので、少なからず勉強時間が取られます。
私の場合、試験の前後で合わせて1か月くらいはAOⅡ期に特化した対策などに費やしていました。
AOⅡ期の合否が出るのは11月末なので、不合格だったらすぐに気持ちを切り替えて共通テスト対策を行う必要があり、とても忙しくなります。
AOⅡ期の実状
これは完全に私の個人的な意見になりますが、AOⅡ期はいかにも優秀そうな人とワンチャンを狙って受けた人にバッサリ分かれている気がします。
合格後にオンラインで行われた「AOⅡ期 合格者座談会」では、東大を目指していたという人や帰国子女の人などが多くいました。
また、仙台出身の友人から聞いた話では、
「一般入試よりは学力重視じゃないから、本来だと偏差値が足りてない人もとりあえず軽い感じで受けてるらしいよ」
とのことでした。
対策に時間を使うことさえなければ受けるデメリットはほぼないので、地元の高校生の中には"とりあえず受けてみる"という人もいるのでしょう。
おわりに
いかがだったでしょうか?
長くなってしまいましたが、ここまでAOⅡ期に関する基本的な情報をお届けしてきました。
次回以降、各試験の対策について詳細にお伝えしようと思いますので、ぜひお待ちください。
この記事が、少しでもみなさんの参考になったならば幸いです。